2015年02月02日

水俣病 新通知差し止め訴訟 東京高裁 第一回口頭弁論 #minamata

水俣病 新通知差し止め訴訟.jpg

東京高裁822号法
控訴人側に二人着席 (傍聴席から見て、左手、手前に佐藤さん、奥に山口弁護士)
被控訴人側に6人着席。

傍聴者は21名。

開廷まもなく、佐藤英樹さんの陳述。
裁判官の真正面にある証言台に移動。

佐藤さん「控訴人 佐藤英樹です」と話し出す。

佐藤さんの陳述内容は、一人芝居「天の魚」の上演が5月に乙女塚で決まったこ
とにふれ、この一人芝居の上演運動を応援しつつ、水俣病の不正を裁判で自分は正し
ていく、というものだった。

「天の魚」の登場人物である杢少年の暮らしぶりに触れ、実際に、似たような暮らし
を強いられた人が水俣にいると話した。






この日、法廷にいた少なくとも半分の人たちは、「苦海浄土」を読んだことがあり、「天の魚」と聞けば、どんな話なのかわかる人たちではなかっただろうか。

石牟礼道子さんの「苦海浄土」に収録されている一作品である「天の魚」は、先
日NHKで放送された石牟礼さんを取り上げた番組で紹介されていた。

それは、「天の魚」杢太郎のモデルとなった胎児性水俣病患者の半永一光さんを、石牟礼さんが明水園に訪
ねるシーンだった。
半永さんを目の前にして、「天の魚」を朗読された。
そのときの石牟礼さんは、「杢太郎」の部分を、「一光」(かずみつ)と読み、半永さんに呼びかけているようだった。

さて、法廷――。

佐藤さんの5分程度の陳述が終わると、山口弁護士が、佐藤さんに代わって裁判官の真正面に位置する証言台まで出てきて話を始めようとしたが、裁判官から「代理人はできれば席で(話をするように)」といわれ、控訴人席に戻って話を始めた。

先ほど提出したばかりという「第四準備書面」がどうのこうのと聞こえてくるが聞き取れない。
(法廷内でのやりとりは、マイクを使っていないため、聞き取りずらい)

必要書類等の確認だろうか。そのあと、以下のように続いた。

(かっこ)は筆者の補足。
《二重かっこ》は、聞き取りにくかった箇所。文脈から判断して発言を予想した。

「59年間の水俣病の放置は違法。明らかにされていないことがたくさんある。
そうした患者の実態…
今も国、県、チッソは責任を取ろうとせず、調査をしないのは異常。

私は42年間、被害者の訴訟を(弁護人として)してきた。
これは自慢ではなく、私の愚かさを暴露しているのである。
裁判を42年間続けても、水俣病の本質を解決できないのは、弁護士の責任であり、私の愚かさでもある。
もちろん、チッソ、県、国も責任を負っている。
さらには裁判官にも責任がある。
同胞の命や体が無視されてきた責任をとるべきである。

去年の4月16日、最高裁の寺田逸郎裁判長は、溝口訴訟最高裁判決で、この事態の最終解決を目指すを判決を下した。
この判決に従って、環境省、官僚、指定代理人が動けば、(水俣病は)解決できたはずだった。

ところが、判決の二日後、環境省の事務次官が(判決内容を)否定。
現在まで、あらゆる手続の場で(環境省は)これまで同様に患者を否定している。

さらに(2014年3月に環境省は)『新通知』を発出。(新通知の発出によって、現在の水俣病認定基準の)違法を《補強》する作戦にでた。これを許すことはできない。

(そこで新通知を取り消す「新通知差し止め訴訟」を2014年2月4日に東京地裁に提訴)

しかし、(新通知取消訴訟の)一審は、裁判すら開かれなかった。

(8月8日、一審の訴えは却下。8月18日に、一審を不服とし、東京高裁に控訴)

したがって、高裁が(今日、このようにして)開かれたことに、感動と喜びを感じている。

水俣病の実態を知っていただき、行政の責任を知っていただきたいと心から祈ります。

一審判決への批判だが、(一審は)患者の水俣病が(行政に)否定されても、(患者個人には)損害が
ないと主張しているが、佐藤さんが50年以上、水俣病の病(やまい)を負って生きていること。正しい行政の対応を受けてこなかったこと。(水俣病の)申請をしても「52年判断条件」で、適切な判断が受けられなかったことは大損害であると主張する。

環境省の小林秀幸の証人尋問を準備したい」


ところどころ聞き取れなかったが、だいたい、このような話だった。

このあと、裁判官が、被控訴人側(国と熊本県側)に、反論があるか尋ねると

「反論はありません」

とのこと。

国側が反論しないのは、そもそも本件が、裁判で争われるべき対象ではない(処分性がない)と考えているためのようだ。
国・県側は、一審でも、本件には処分性がない、というスタンスだった。

法廷は、次回のスケジュール調整の後、閉廷。
次回は4月21日 11時。

NHKの番組で、石牟礼さんが、半永さんにプレゼントしていた「苦海浄土」は、これだったように見えました。


こちらのバージョンには、第1部「苦海浄土」、第2部「神々の村」、第3部「天の魚」の3部作すべてが収録されています。














posted by みの at 17:25 | TrackBack(0) | 水俣 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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