2014年05月13日

水俣病 5月13日の参議院・法務委員会の感想 #minamata

会社法改正におけるチッソ優遇修正案について話題をしぼり、
5月13日に行われた参院法・務委員会の感想を。

法務委員会_共産にひ議員4e.jpg
(参議院審議会中継サイトの映像をキャプチャーしました)

チッソ優遇修正案を提出した維新の西田議員の言いたいことは、
大切なのは 水俣病特措法を立法した「先生方の努力」(先生方=国会議員)であり、
したがって、「先生方」が熟考された特措法スキーム実行の障害物になるものは取り除いて当然というように聞こえた。
この場合の障害物とは、親会社が子会社株を売却する際、株主の同意を得るという要件。
チッソ以外の会社は、この要件に従うことになるのだが、チッソだけは適用除外にするのが維新の修正案。
よって、チッソは株主の同意なしに子会社株の売却ができるようになる。
チッソが子会社株を売却し、チッソが計画的倒産をすることは、特措法に盛り込まれている。
この加害企業消滅計画が実行されると、チッソが加害責任からフリーになる。
また、どのタイミングで、特措法スキームに書いてある、新規の水俣病患者認定を停止するのか定かでないが、新規認定が停止されると、現在、環境省が熊本県などに委託している患者認定業務もなくなるだろうから、環境省および関係する県も、水俣病の加害責任からフリーになれるという、許しがたい事態になる可能性は大きい。

特措法は成立時から問題が指摘されていたが、自民・公明・民主の賛成で2009年に成立した。
実際に特措法による救済策が開始されると、被害の現状を無視してつくられた救済策なので、切り捨てられる被害者が続出することになった。

そうした現状があるのだから、水俣病被害の救済の終わりは遠い。
だが、チッソが子会社株を売却するには、前提として、水俣病被害者の救済が終了していなければならない。
しかし、チッソと環境省を免責したい人達は、この不都合な現実を無視している。

維新の西田議員と、共産の仁比議員のやりとりを聞いていると
西田議員が修正案を正当化する理由として挙げているのは、特措法立法者である先生方の意志を貫くため、特措法スキームを実行するために限ってであり、そこには、修正案が被害者救済にプラスになる根拠は一切見当たらない。

・・・・・・・・
仁比議員が、具体的な事例をあげて、「こうした事態から、救済が終了したといえると考えられますか」
と質問。

西田議員の回答
「ご指摘の問題はあると思う。しかし、今回の会社法で我が党がだした修正案は、あくまで現行の水俣病特措法のスキームを前提とした修正案。あまり、特措法そのものについての認識について、この場で私が修正案を超えてお答えするのが適切なのかと考えるところ。ご理解を」

 ※「特措法スキームを前提」にした修正案であり、被害の現実は前提にされていないようである。

仁比議員
「政治家としての感想も示せないのか。スキームというが、特措法は、あたうかぎりの救済が目的。あなたががたの提案は、その加害企業チッソの株式譲渡を容易にしようと、ハードルを課さえないものになっているから抗議の対象になっているわけ。(略)
被害者たちが、一方的に国が設定した線引きで切り捨てられていいはずがない。もう一度おたずねする。これで救済が終了したといえると思いますか。それを前提に株式譲渡の要件を議論する場面だと思いますか」

西田議員
「おっしゃるような、問題がおきていることは事実。(生じた問題については)裁判中であるわけで、司法の結論でれば対応されなければと思う。
 特措法制定時の原則、あたう限りの救済から何分ずれるものではない。そういった思いで、修正案は努力のなかで成立された(特措法)立法者の意志とはそぐわないという認識」

仁比議員
「つまり、救済の終了とはおっしゃりはしないわけですか」



昨日(5月12日に)行われた院内集会での被害者団体からのコメントを再度紹介します。

大石利生さん(水俣病不知火患者会 会長)
「会社法改正によるチッソ優遇の修正案は、チッソの責任と役割を免責し、水俣病の幕引きをしようとするもので許されない」

坂本龍虹さん(水俣病被害市民の会 代表)
「会社法でチッソだけ適用除外する件もそうだが、特措法でもチッソは民法や破産法のいくつかの項目で法の適用対象外になっている。なぜチッソだけが適用対象外なのか理解に苦しむ」

谷洋一さん(水俣病被害者互助会 事務局長)
「国はなぜチッソをこれほど擁護し、被害者のためには動かないのか。
 水俣病被害の申し立てが相次ぎ、訴訟も今後行われていく状態。そういう意味では水俣病の解決が見えないなかで、チッソの分社化は進められ、先日の水俣病犠牲者慰霊式では、チッソの社長が子会社の株売却を早く進めたいと発言している。ようするに、水俣病の責任から逃れたいということを平気で発言しているということ。被害者はこうしたことを許せない」

中山裕二さん(水俣病被害者の会全国連絡会 事務局長)
「特措法がこのままいくとチッソは消滅する。チッソが子会社の株を売却すると加害企業がなくなる事態になる。認定患者がチッソと結んでいる補償協定は、1970年代に患者が必死の闘いで勝ち取ったもの。それをないがしろにする行為であり、それが特措法である。
 慰霊式で石原環境大臣が、自分の在任中はチッソが株を売ることはないといったが、私の在任中は消費税をあげないといった総理大臣もいた。同じことなのではないか」

菅一雄さん(ノーモアミナマタ第二次国賠訴訟弁護団)
「今の状況説明を。今国会に会社法改正案が提出されていて、改正案は多義にわたるが、そのうちの一つが、子会社の株式売却時、親会社の株主総会による承認を必要とする改正案。私どもが反対しているのは、この改正案からチッソを除外しようという修正案。修正案は維新の会が議員提案し、衆院で可決、参院にまわされているのが今の状況。
 反対する理由は、特措法にはじまる加害企業免責、水俣病問題の幕引きの一環としての動きだから。
どういうことかというと、特措法の申請が締め切られ(2012年7月末)、いよいよ今夏にも特措法に定められた手続き上、チッソが子会社売却を環境省に伺いたてられる状況。これにより本当に加害企業チッソが水俣病と縁を切ることにつながる。縁が切れれば、チッソは水俣病と無関係に金儲けができる。今、その一歩手前にきている状態で、わざわざチッソに株を売りやすくする修正案をだしている。なぜ加害者の味方を国会がするのか」


20140512チラシ.JPG
(院内集会にて撮影。手前は配布されたチラシ)

参議院の「先生方」はどう、判断するのでしょうか。

追伸:12日の院内集会での被害者団体からの発言と、本日の法務委員会で意見陳述をされた大石利生さんの発言および仁比議員の質疑には、水俣病の補償救済の不条理な線引きの実態、理解されにくい病状の具体例等の話がありました。これらは、特措法の救済制度が根拠なくつくられていること指摘する証言でしたが、会社法改正および修正案の話題と一緒にすると、かなり長文になるかと思い、別の機会に書きたいと思います。
posted by みの at 17:53 | TrackBack(0) | 水俣 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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