郵便局の数が約2万4000局ですから、2倍近い店舗数なんですね。
今回ご紹介するのは、子ども向けの本『コンビニ弁当16万キロの旅』です。
コンビニで最も売れているのが、お弁当やおにぎりなどの食品類。
こうしたお弁当が、どのようにしてつくられるのか、
子どもが理解できるように、やさしく案内してくれる一冊です。
本の執筆者たちが、「コンビニ弁当探偵団」となり調査を進めていきます。
コンビニ弁当の仕入れ数や売れ残り品の行方(1章)
コンビニ店長バーチャル体験(2章)
お弁当工場の一日(3章)
4章では、あるコンビニの幕の内弁当を取り上げ、食材のたどってきた道のりを明らかにしていきます。
わかったのは、食材のほとんどが輸入食品だということ。
幕の内弁当には、鮭やら小松菜、エビ、鶏肉などが使われていたのですが、
鮭はデンマークのフェロー諸島産、小松菜は中国、エビはタイ、鶏肉はブラジル産というように、
7割を輸入食材に頼っていることが分かりました。
幕の内弁当に使われた食材の生産地から日本までの輸送距離は、
合計すると約16万キロメートル。
地球一周が約4万キロメートルですから、その4倍の距離に値します。
これだけの距離を経て、幕の内弁当の多彩なおかずは調達されているんですね。
食べ物が日本に運ばれてくるまでの輸送距離に、輸入された食料の重さを掛けたものを「フード・マイレージ」といいます。
フード・マイレージ =輸入食料の重さ × 輸出国から日本までの輸送距離
(トン・キロメートル)
地産地消(ちさんちしょう:地域で生産されたものを、その地域で消費する)であれば、
トラック輸送などによって発生する二酸化炭素の排出量も多くありませんが、
輸送距離が長く、運ぶ量が重くなれば、それだけ二酸化炭素排出量もエネルギー消費量も多くなります。
日本に輸入される食品のフードマイレージは世界一だとか。
食料自給率39%の日本では、海外からの輸入食品に頼らなければ、私たちは食べていけないのです。
続く5章では、お弁当に使われる「バーチャル・ウォーター」について追求しています。
外国でつくられた食材には、その土地で育てるために大量の水が使われています。
もし、同じ食材を自分の国でつくったら、どのくらいの水が必要なのか。これをバーチャル・ウォーターと呼んでいいます。
食料を海外から輸入するということは、こうした作物の育成に使われた水も輸入していること。
茶碗一杯のご飯(75グラム)をつくるには、270キロの水、2リットルのペットボトル135本分の水が必要です。
本書では、バーチャル・ウォーターの計算が比較的簡単な牛丼弁当を取り上げ、計算しています。
牛丼弁当一つに含まれる牛肉は約80グラム、これだけの牛肉をつくるには、1.6トンの水が必要です。
ご飯(どんぶり一杯112グラム)には、約0.4トンの水(浴槽約10杯分)が使われていると考えられます。
こう考えると、一年間に日本が輸入しているバーチャル・ウォーターの量は640億トン。
実際に日本で使われている水が約870億トン(2001年当時)ですから、
バーチャル・ウォーターの輸入量が、半端でないことがわかります。
人間が使える水(淡水)が少なくなってきている現状を考えると、
今後「バーチャル・ウォーター」という言葉の知名度は、もっと高くなっていくでしょう。
* * *
便利なコンビニですが、その背景には、24時間営業を可能にするため、
深夜、早朝に働く労働者がいます。
消費者の目の届かない弁当工場でも、同様に夜中も働く人がいます。
そして、コンビニ弁当にスポットを当てれば、
日本の低い食料自給率、外国に食料品だけでなく、農業に必要な水までを頼っている現実が見えてきます。
便利さの影に潜む、日本の危機。
食料品や水といった、生命の維持に欠かせないものが自給できていない現実が、そこにはあるのです。
この本をきっかけに、身近な食べ物のフードマイレージやバーチャルウォーターを調べてみてはいかがでしょうか。
フードマイレージ((財)食生活情報サービスセンター)
http://www.e-shokuiku.com/jyukyu/13_3.html
バーチャルウォーター(環境省ホームページ)
http://www.env.go.jp/water/virtual_water/
※Yahooボランティア公式ブログに書いた記事を転載
http://blogs.yahoo.co.jp/yj_volunteer/8347133.html




