2009年09月02日

国民審査の扱いの小ささ

8月30日の衆議院議員選挙では

小選挙区
比例


そして

最高裁裁判官の国民審査

の3種類の投票がありました。

ご存じのとおり、投票が終わる午後8時から、開票速報がどんどん入ってきて、翌日の朝刊は、開票結果で

大フィーバー♪

朝刊の配達がいつもより遅れるほど(事前に遅れると通知あり)の力の入れよう。

その一方で、

最高裁裁判官の国民審査の投票結果の扱いはとても小さく

え、読めません?
じゃ、もう一度(苦笑)

“最高裁裁判官の国民審査の投票結果の扱いはとても小さく”

結果を初めて知ったのは、47ニュースの記事でした。

裁判官9人全員を信任 最高裁国民審査
 中央選挙管理会(坂田桂三委員長)は31日、衆院選と同時に行われた最高裁判所裁判官の国民審査の投票結果を発表した。今回対象になった裁判官は9人。有権者が罷免を求め「×」印を付けた票が、罷免を求めなかった票をいずれも上回らず、全員が信任された。

 9人は桜井龍子、竹内行夫、涌井紀夫、田原睦夫、金築誠志、那須弘平、竹崎博允、近藤崇晴、宮川光治の各裁判官(告示順)。罷免を求めた率は6〜7%台だった。

 投票した有権者は6945万4375人。投票率は66・82%で、前回より1・33ポイント上がった。

 最高裁裁判官の国民審査は今回が21回目。1949年の第1回以来、罷免された裁判官はいない。罷免を求められた率は最高で15・2%。 2009/08/31 12:45



裁判官を罷免するには、投票数の半数以上の「×」が必要。
何もかかない無記入は、信任したことにカウントされます。

つまり、国民審査の紙を渡されて、
「これ何書けばいいんだろう」とか、
「ここに書いてある9人の名前って何?何やっている人?」
「一度もニュースで紹介されていない人たちじゃん」

とか思ったとして、

何書いていいか分からないから、
いいや、白紙で投票しちゃおう〜!


と思ったりすると、

自動的に9人の裁判官を信任したことになります♪(涙)

不信任の裁判官に×をつける判断材料は非常に乏しく、
なぜか、あれだけ選挙だと騒いでいたマスコミも、国民審査に関しては

シーン

と静まりかえってしまっている様子。

この47ニュースも、掲載されたのは

2009/08/31 12:45

衆議院選挙のあの速報ぶりとは、うってかわって、
翌日のお昼♪
です。

しかも、裁判官ごとに、どれだけの人がバツ印をつけたか知りたいのに、細かい数字は一切記事にないという扱い。

ネットでは投票日前から、
国民審査のための最高裁判事紹介
忘れられた一票 2009   ★  最高裁判所 裁判官 国民審査 判断資料
といった、サイトが立ち上がっていて、

あまり報道されていない9人の最高裁裁判官が、
どんな判決を下していたのか、丁寧に説明していました。

そんなわけで、私もこうしたサイトを参考にしながら、
最高裁裁判官の国民審査に投票をしたのです。

そして、ついに9月2日の東京新聞朝刊に、以下の記事を発見!

最高裁裁判官の国民審査結果.JPG

やっとデタまん!(笑)

でも、記事が小さすぎるよ〜(涙)

隣のミシュランガイドが大阪&京都版を発売するという記事の、半分しかありません!!(苦笑)

でもって、それぞれの裁判官を罷免した×印の数を見てください。

517万票を筆頭に、最低でも401万票です。
これだけ集めても、罷免されないって、
そもそも、このシステムは、罷免が可能なシステムなんでしょうか?

統計学の専門家の皆様、
選挙前の情報の少なさからいって、
投票数の半数以上の×がないと罷免できないって、
現実的にあり得るのでしょうか?

あり得るとしたら、どのような条件下でなら、あり得るのでしょうか?
少なくとも、有権者の半数が、国民審査の意味を理解し、
裁判官の実績について、一般の人がわかりやすいような情報が入手しやすいインフラが整備されなければ、無理ですよね?

あり得ないことを、さも、あり得るように見せているだけじゃないのでしょうか。なんて、思ってしまいます…

とりあえず、比較として、東京の小選挙区で、最も票を集めた小宮山洋子さん(東京6区)の獲得票数が17万4367票だということを書いておいてと、
一人の裁判官が、国民500万人から、×印をくらうという事実の重さを考えてほしいです。(まあ、全国を対象にしているのと、東京6区じゃ比べる範囲が違いすぎるんですけど、決して無視できない数字だと思うんで。)

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posted by みの at 20:26 | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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