2009年04月10日

映画『MILK』

『MILK』って、ミルクですが、牛乳ではありません。1970年代の米国で、マイノリティのために戦った政治家のハーヴェイ・ミルクのラストネームです。

ちょうど、アムネスティ・インターナショナル・日本のメールマガジンに、『MILK』のことが紹介されていました。

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マイノリティのために声を上げたハーヴィー・ミルク
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前号に引き続き、人権に関する映画をご紹介します。
今年、日本映画が受賞したことでも話題となった第81回アカデミ
ー賞において、映画「ミルク」は、脚本賞、主演男優賞を受賞し
ました。本作品は、1970年代、実在したハーヴィー・ミルクの物
語です。

ハーヴィー・ミルクは、自ら同性愛者であることを公表し、社会の
偏見や差別と対峙して、マイノリティの人びとのために闘った人物
です。1977年にサンフランシスコの市政執行委員に当選したミル
クは、同性愛者を差別する条例案に反対する運動を起こし、マイノ
リティを支援する政策を推進しました。その翌年彼は暗殺されます
が、自らがマイノリティであることを社会に堂々と訴え、同性愛者
や黒人、障がい者など、社会の様々なマイノリティに希望を与えよ
う、という彼の行動とメッセージは、その後の世界に大きな影響を
与えました。一方で、彼の死から30年たった現在も、日本も含め
世界各地でLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トラン
スジェンダー)の人びとへの暴力や差別が報告されています。彼の
精神を引き継ぎ、マイノリティへの差別をなくすために、私たち一
人ひとりの行動が求められています。

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映画「ミルク」
公式サイト: http://milk-movie.jp/main.html
4月18日(土)より全国ロードショー
監督:ガス・ヴァン・サント 主演:ショーン・ペン
配給:ピックス 128分
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アムネスティ日本のジェンダー・チームは映画「ミルク」の広報に
協力しています。ジェンダー・チームは、女性の権利、LGBTの権利
などに取り組むボランティアのグループです。これらのテーマにつ
いての勉強会や講演会の開催、報告書の翻訳発行などの活動を行っ
ています。
チームへの参加やお問合せは下記まで
gender@amnesty.or.jp(@を半角に)


ということで、『MILK』は4月18日から全国で上映が始まります。

米国でマイノリティの運動で活躍した人物といえば、マーティン・ルーサー・キング・ジュニア (キング牧師)や、ローザ・パークスなどアフリカ系米国人の公民権運動で活躍した人物が有名ですが、ハーヴェイ・ミルクは、ゲイコミュニティのキング牧師的な存在です。
でも、知名度は、キング牧師ほどではありません。しかし、今回、ショーン・ペーン主演の『MILK』が日本でも上映されることになり、ハーヴェイ・ミルクの知名度もアップすること間違いなし!
『MILK』は、見た者に、希望を与えてくれることでしょう!



私は大きな会場で上映された試写会で一足先に『MILK』を見たのですが、上映終了後、会場から拍手がわき上がりました。
これまでも一般の人を招待した大きな会場での試写には行ったことがありますが、拍手が沸いた映画はありませんでした。一瞬、びっくりしましたが、私も拍手に加わりました! なぜって、ハーヴェイ・ミルクの生き方が素晴らしいから! そして、ミルクが後に続く社会に残した功績の大きさに感謝の気持ちを込めて。


『ミルク』は、すがすがしい映画です。70年代のカリフォルニア州では、ゲイが教職に就くことを禁止する「提案6号」という政策が、住民投票にゆだねられていました。「Yes on 6」(提案6号に賛成)と、「No on 6」(提案6号に反対)派に分かれて、運動が展開されました。

この条例が通過すれば、ゲイは仕事を失うことになりまする。
SF市の議員だったミルクは、反対運動の先頭に立ちました。
注目を浴びるミルクに対して、「お前を殺す」という脅迫状が届きます。それでも、ミルクは脅しに負けることなく、ステージに上がり、ゲイだけでなく、あらゆるマイノリティの虐げられている権利を主張するのです。

当時教師で、ミルクとともに反対運動に加わったトム・アミアノ(彼もゲイ)は、『MILK』に、70年代の本人役で登場しています。
アミアノはその後、SF教育委員会の議長、市制議員を経て、現在はカリフォルニア州議会議員として政治の舞台にゲイということを公にして進出していったのです。


そんなアミアノが教師だったころの映像が、84年の作品『ハーヴェイ・ミルク』に登場します。
『MILK』はハーヴェイ・ミルクを主人公にしたノンフィクションドラマですが、『ハーヴェイ・ミルク』は本人に迫ったドキュメンタリーです。当時の新聞や、TVニュースの映像、本人へのインタビュー、ミルクを知る人々のコメントなどで構成されています。
その一人に、アミアノが登場するのです。



ミルクの背中を見ていたアミアノはきっと、ミルクからゲイとして生きる希望を感じたのでしょう。アミアノの影にミルクあり、と私は考えています。

ドキュメンタリー『ハーヴェイ・ミルク』は、渋谷のアップリンクで、4月18日から毎晩レイトショーで上映されます。貴重な上映の機会ですので、お見逃しなく!

『ハーヴェイ・ミルク』 4/18(土)より連日20:50からレイトショー

アップリンクはカフェも経営しているので、映画の前にシアター一階にあるカフェ「タベラ」で夕食を食べてもいいかもしれません。

『MILK』と『ハーヴェイ・ミルク』を見たレビューを、アップリンクが運営するwebdiceというサイトに書いてます。よかったら、こちらも読んでください! 
●web dice 奥田みのりのホームより、
両方見てほしい 『ミルク』と『ハーヴェイ・ミルク』




さて、『MILK』でも『ハーヴェイ・ミルク』でも取り上げられる、提案6号ですが、見事に否決されます。(No on 6の勝利)
ゲイだからといって教職を奪われることがなくなりました。

そして私がサンフランシスコ州立大に通っていた90年代、ゲイの教授の授業を受講しました。その時は、70年代に、提案6号のような議論があったことは全く知らなかったのですが、それでも、ミルクの名前は知っていました。

その教授は最初の授業でこう言いました。

「僕の授業へようこそ。最初に言っておきます。僕はゲイです。僕の授業が嫌だったら、遠慮せず、今すぐ席を立ってもいいですし、次回から来なくてもいいです。」と。
新学期が始まってから2週間ほどは、学生はいくつものクラスに顔をだしながら、どの授業を受講するか比較するんです。なので、その先生は、自分が何者であるかを正直に話したのでしょう。

その教授の2回目の授業には、前回と同じ顔ぶれが揃いました。


こんな時代を私が過ごせたのは、ミルクがSFの議員になり、ゲイやマイノリティの人権を主張してくれたからなのでしょう。もちろん、これはミルク一人が成し遂げたことではなく、同じ思いを持った人たちとの共同の成果なのですが。


私の大好きな言葉に、ガンジーの
Be the change you want to see in the world.
(まずは自分自身が、世の中に起きてほしい変革となれ)
があります。

ミルクはまさしく、これを実行したのです。


今日もお読みいただき、ありがとうござました!
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追伸:Harvey Milkの日本語表記については、ハーヴェイ・ミルクと、ハーヴィ・ミルクがあるようです。


こんな記事も書きました。

同性結婚 引き続き合法に=米国マサチューセッツ州

●2008/10/1発売の雑誌「ビッグイシュー日本版 104号」に、世界各国の同性愛

こんな記事も書きました。



●MILK 〜写真で見るハーヴィー・ミルクの生涯〜
http://www.ac-books.com/fs/book/movie/milk



posted by みの at 01:38 | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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