2015年01月17日

水俣病 食中毒調査義務付け訴訟 第三回 口頭弁論 #minamata

裁判所合同庁舎(東京・霞が関).jpg水俣病に関する食中毒調査義務付け訴訟の第三回口頭弁論が16日、東京地裁で行われた。
被告(国、熊本県)が否定する「処分性」(被害者個人が行政に対して調査を要求をする権利があるのかどうか)について、裁判官は原告側に法的根拠に基づく説明を求めた。
次回は3月13日11時30分。

食品衛生法は、行政に対して、有害物が混入した食品の流通販売を禁止し、被害拡大を防ぎ、保健所は住民の悉皆調査を実施し、上部機関に結果報告をすることを定めている。しかし、水俣病事件では、行政による悉皆調査が一度も行わていない。

食品衛生法 58条〔中毒に関する届出、調査及び報告〕
  〃   60条〔厚生労働大臣による調査の要請等〕


悉皆調査(被害者の掘り起し)をしない行政は、水俣病患者認定制度に「本人申請主義」を採用。
差別偏見があるなか、被害者本人が名乗り出るのは困難。
結果、「申請なし=被害なし」という行政に都合のいい歪んだデータがつくられていった。

熊本県は2004年、悉皆調査の実施を提案したが、環境省幹部から「患者の掘り起しにつながる」と否定されている。(西日本新聞2010年4月30日)

西日本新聞2010年4月30日.jpg


食品衛生法に基づく調査が行われていないことから、行政の記録に残されない、データに表れることもない被害者がどれくらいいるのかわかっていない。
つまり、水俣病事件の被害の実態は、今もわかっていないというのが現状。

被害実態がわからないのに、「申請なし=被害なし」と都合よく被害数を解釈して構築した官製の「水俣病の被害実態」は、さまざまな水俣病施策の骨格になっている。

例えば、
不正確な実態把握を基にしている水俣病の認定基準。
2014年3月に環境省から熊本県他に出された「新通知」など。

この基準にそって、水俣病かどうか判断されることで、本来、水俣病患者として補償されるべき人たちが、切り捨てられている。

食中毒義務付け訴訟の原告、佐藤英樹さんもそうしたうちのお一人。
行政が悉皆調査を行わないことで、佐藤さんは、不利益をこうむっている。

裁判では、
食品衛生法58条に基づき、悉皆調査を行うこと。
調査が行われない場合は、裁判所はこれが「違法」であると確認すること。
原告の佐藤さんには、損害賠償として10万円を払うこと等。
を求めている。

損害賠償金が10万円というのは、佐藤さんが受けた不利益に照らし合わせると低額すぎるが、
裁判の目的は、調査の実施であるから、このようになっているのだろう。

魚介類を食べて病気になるという食中毒事件が起きたのに、発生地域の調査をしない。
調査をしないまま(現状把握がされていないまま)、誰が患者で、誰がそうでないか決める基準がつくられる。
被害者自らが手をあげない地域は、被害ゼロと解釈されて、行政に放置される。

これが、政府公式確認から今年で59年目をむかえる水俣病事件の現状なのです。

現地調査義務付け訴訟 食品衛生法の義務、原告に立証求める
 国と熊本県に食品衛生法に基づく水俣病現地調査、報告義務付けなどを求めた訴訟の第3回口頭弁論が16日、東京地裁であり、谷口豊裁判長は、原告で水俣 病互助会の佐藤英樹会長(60)=水俣市=に対し、同法が定める国と県の具体的義務、調査を求める根拠などの立証を求めた。
 同法に基づく調査・報告について、原告側は「水俣病患者の生命と健康を守るための法的義務を定めている」と主張。被告側は「食中毒発生の判断が目的で、患者認定など国民に対する義務はない」と反論している。
 谷口裁判長は「双方の主張がかみ合っていない」と述べ、原告側に主張を裏付ける根拠の説明を求めた。(山口尚久)
熊本日日新聞 2015年01月17日

引用元  http://kumanichi.com/feature/minamata/kiji/20150117001.xhtml


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2015年01月16日のつぶやき








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