2014年08月21日

2014年08月20日のつぶやき























炎を越えて 新宿西口バス放火事件後三十四年の軌跡 / 杉原美津子


【内容情報】(「BOOK」データベースより)
1980年、新宿西口バス放火事件。死者6人の無差別犯罪に日本中が騒然となった。全身80パーセントの熱傷を負った著者は、獄中の「加害者」に面会を求める。そして、夫の認知症と死。一人きりになった著者に、肝臓がんで余命宣告。事件の輸血によるC型肝炎がもとだったー全身熱傷からの生還。生と死を見つめた魂の手記!(上記リンク先から転載)


自分の身に起きた出来事にとことん向き合い、「書く」ことを諦めなかった。
言葉にできない気持ちの揺れ、葛藤、押しつぶされそうになる不安。疑念。希望?死――。
わからない。でも、そのわからないご自身の気持ちから最終的には逃げずに、文字にしたこと。
文字(言葉)にすることで、整理されていく感情の一つ一つ。
その感情はどこから来たのか。
その感情は、何に刺激され、沈静化されたのか。
自分のなかから消えていたと思った、その感情は、何によって目を覚ましたのか。

その視線は、個人をとりまく社会にまで及んでいる。

言葉にならないモヤモヤとしたものを「言葉」に置き換える作業は、苦痛でもある。
自分の頭のなかにある言語化はできないが、体感はできる「不安のようなもの」「疑念のようなもの」「希望のようなもの」…といった、輪郭のはっきりしない「…のようなもの」は、そのまま自分のなかに抱え込んだままでいいし、自分以外の人に伝える必要はないといえばない。
しかし、著者は、言葉にすることを選んだ。

言葉にしていく作業は、体力と精神力を酷使したことだろう。
作品からは著者の「生きる」という覚悟が伝わってくる。

そして、家族や愛する人の死を見届けた今、ご自身の「死」も意識したことだろう。
家族や愛する人たちが、文字(言葉)を残すことなくこの世を去り、彼等が生きたことは、著者の作品を読むことで、著者亡き後も、この世に遺る。
「余命半年」と医師から宣言された著者は、このことに気づいていたのはずだ。
posted by みの at 00:01 | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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