2013年03月29日

大学生が新潟水俣病の患者支援に!

新潟市で開催された「新潟水俣病患者のボランティア支援について考えるフォーラム」に行ってきました。

主催は、新潟医療福祉大学
新潟医療福祉大学では新年度から、水俣病患者を支援する学生ボランティアの育成をはじめるそうです。
通院や買い物の付き添いボランティアなどを学生がするとのこと。

「やっと地元の大学が動いた」という安田患者の会事務局の旗野秀人さんの一言。
「やっと」という一言、深いです。

20130327新潟フォーラム.JPG



新潟医療福祉大学では2月、何人かの大学生が水俣でフィールドワークを行ってきました。
参加した大学生のうち、お二人が、フォーラムで感想を話しました。

大学3年生の堀井夢摘さんは、新潟で行った患者さんたちへの足湯提供の機会などを通じて、
水俣病の健康被害が外から見ているだけではわかりにくいこと。
しかし、被害が見えないだけで、「日々つらいことを知った」と話しました。

同じく3年生の木村駿介さんは、水俣訪問時、熊本学園大が開催している原田正純さんの追悼展示を見て、「チッソ従業員にも患者がいたことに戸惑いを感じた」と話しました。
原因企業のチッソで働いていた人のなかにも、被害をうけた人がいる。
水俣病のことをよく知る人は、当たり前のことだろうと思うかもしれませんが、初めて水俣を訪問して感じたフレッシュな感想は、何年も水俣に通うようになった私のような者にとって、忘れていた当初の気持ち、水俣病をよく知らない人はどう感じるのか、どう考えているのか、といった視点を教えてくれます。

新潟水俣病被害者の会・会長の小武節子さんは、大学生が患者支援にふみだすことについて
「こういう機会をもうけてくれただけで、これからも生きる力になる。感謝しています」
「ボランティアをとおして、なぜ水俣病は解決しないのか、考えてほしい」
と発言されました。

そこに安田患者の会事務局・旗野秀人さんの愛情たっぷりの辛口発言が入りました。

感謝してくれる患者さんばかりではない。
自分が水俣病患者だということを隠している人もいる。
当たり前だけど、患者はふつうの人たち。いろんな人がいる。
ボランティアの押し売りもある。放っておいてほしい、という人もいるだろうと。

会場からのご発言でも、こういうのがありました。
患者は全ての世代にいる。そのなかでも働いている世代は、多分、患者であることを名乗り出ないだろう。
となると、名乗り出れないことが本人にとっては苦痛になっている。
そういう人がいることを知ったうえで、ボランティアを展開してほしいと。

現場をよく知る方からの発言は、新潟医療福祉大学が今後展開していくボランティア活動を、より現実的なステージに引き上げる、貴重な助言です。
会場から数多くの発言があがったのも、新潟医療福祉大学の試みへの期待のあらわれでしょう。

そして、一歩間違えると、フォーラム自体が「賞賛の嵐」になってしまうところを、
こうした意見が飛び交ったことで、より実りある、リアルな議論の場にすることができたと思いました。


大学生のような「若い」人たちが、動き出すということに、期待せずにいられません。
若い人は、大人にはない力を秘めているからです。
直接会場で、堀井さんや木村さんにお伝えできませんでしたが、若いということは、それだけで特別なこと。そのことに気づくのは年をとってから・・・なのです。

以前、こんな話を聞きました。
水俣の山のほうにある村に、大学生のグループが村を見に来ました。
村のおばちゃんたちは、若い人が村に来てくれたことに大喜び。
そんななか、大学生から水俣病についても知りたいといわれて、これまで水俣に住んでいながら、水俣病のことに関心のなかったおばちゃんたちは、「わたしらも水俣病について勉強しなくちゃ」と考えるようになったそうです。

若者マジック!?

若者の言動が、予期せぬ展開につながるかもしれません。

会場を埋めた60人ほどの参加者のなかには、新潟医療福祉大学の学生も10人ほどいらしていたと、丸田秋男副学長が話しました。フォーラムに参加しても授業の単位になるわけではないとこのこと。それでも、会場に足を運んだ人には、ズシリと体感するものがあったはずです。
私はこういう「体感」を、大事にしたいと思っています。

そのうちのお一人、水俣でフィールドワークに参加した大学3年生の方は、水俣の患者さんの言葉がなかなか理解できなかったが、心で聞くことを知ったと述べられました。

この話は、基調講演で、ほっとはうすの加藤タケ子さんが話されたことに通じます。
加藤さんは「次世代を担う学生への期待」として、水俣にある患者の通所施設「ほっとはうす」のメンバーについて話ました。
言語障害のある金子雄二さんの言葉は、初めて聞く人にとっては、理解するのが難しいのです。
話を聞きにきた小学生も、最初は戸惑います。
そして加藤さんは、金子さんが発する一言の重み。その声を、心で聞いてみてくださいといいます。
大人なら「まさか、心で聞くなんて」と、冷めた態度で受け取ってしまうところ、子どもたちは、金子さんの二回目の発言には、さっきとは全く違う気持ちで向き合うのです。
その姿を後ろから見ていた大人のなかには、「子どもたちの背中が違ってみえた」という人もいました。
私は、患者さんの語りを前にした子どもたちの姿を見るうちに、自分も含めた大人が失ってしまった感性・感覚といったものに気づかされました。
そして人と人のつながりのあり方について、考えさせられました。

社会福祉法人でもある ほっとはうす。施設長の加藤さんは
新潟医療福祉大学の大学生たちに向けて、
「社会福祉に関わる人材が、新潟水俣病に関わることはすごいことです」と、エールを送りました。

患者さんの話を心で聞くことができたら、
ぐっと、患者さんとの距離は近くなるでしょう。
その人たちが、社会福祉の視点を持ち合わせていたら、
何が見えてくるのでしょう。
何が始まるのでしょう。
これからが楽しみです。

胸にジーンとくるものを残してくれた新潟医療福祉大のフォーラムでした。
そんな思いに浸っていた私に、会場で声をかけてくださった方が、
「今年のフォーラムは、感動しました」
といわれてました。
私が感じたものと、似たようなものを感じている人が、ここにもいらっしゃいました。

フォーラムでは、新潟県がやっている「新潟水俣病関連情報発信事業」
「新潟水俣病地域福祉推進条例」についての説明はありませんでしたが、
こうした事業の積み重ねが、大学を動かす原動力の一つになっていることでしょう。

暖かい気持ちで会場を後にしました。

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水俣病裁判 最高裁判決 2013年4月16日!
溝口さん(水俣病認定)棄却取消・義務付け行政訴訟のホームページ
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2013年03月28日のつぶやき


















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