フリーペーパーあれこれフリーペーパー発行者に聞く!の続きです。
前回、フリーペーパー「coaster」発行人のアダチレイナさんをご紹介しました。
グラフィックデザイナーのアダチさんは、お仕事で、様々なデザインにかかわる一方で、好きなデザインができないというフラストレーションを感じられていました。
というところまでが前回の話。今日は、その続きです。
* * *
アダチさんはその後、会社を辞めて、フリーでデザインのお仕事をするようになりました。
それでも、自分がやりたかったデザインが、世の中に出回らないジレンマは抱えたまま。そんなときに、フリーぺーパーに出会ったといいます。
以来、フリーペーパーをつくりたいと考えつつ、今は始める時期じゃないと先延ばししていたところ、周囲に協力者が現われ、誘って見たところ、趣味(フリーペーパーの作成)につきあってくれることに。めでたく、「coaster」が誕生することになったのです。
5年間で10号(0号〜9号)を発行。1年に2−3号のペースとのこと。(8-9号のあいだ1年間ブランクあり)
現在では7枚の紙をクリップで留めた「coaster」ですが、最初は、一枚の紙を折りたたんだ形の「coaster」を考えていたそうです。
コンテンツ(内容)ですが毎号ごとに、一つテーマ(キーワード)を決めて、その号の全てのページをつくっています。
私がいただいた8号は、「change」がテーマでした。といっても、オバマさんの「change」じゃないです。
鈴木いづみさんという、コラージュに手芸をとりいれた作品をつくられているアーティストを迎え、捨てられてしまうゴミを使った作品制作の過程を紹介しています。ゴミに、「Love」&「Sence」を吹き込み、「Change」させ、別の、何か「意味のあるゴミ」(?)にするというわけです。
最終的には、不用品をつかった3つの「ランチョンマット」が完成。ひとつは、「病み上がりに捧げるランチョンマット」で、薬の空き箱などを利用しつつ、ランチョンマットの片隅に、薬置きケースが配置されていて、飲み忘れも防止してくれてしまう、優れた作品に!
他には「女子供に捧げるランチョンマット」(ペット付き・笑)、「三度の飯よりギャンブル好きに捧げるランチョンマット」(アルコールとおつまみ用のお皿付き)ができました。
作品は最終的には、ゴミとして捨てまして(そもそもの材料がゴミでしたし)、ゴミ捨て場に捨てられたゴミ(作品)までを写真に納めています。そのゴミにも、ゴミ(不用品)でデコレーションをするという徹底ぶり!すごいです。
「癒してくれるものは、(今回つくった作品のように)必要なものから外れたものなのでは、と考えています」とのこと。
そういう意味では、「coaster」の存在について、「あってもなくもいい」フリーペーパーと言われている点につながります。
あってもなくてもいいものこそ、楽しくさせるモノ…という哲学が、表紙裏にしっかり書かれていますので、必見です。
「一見、かわいらいしけど、中身は全然かわいくないフリーペーパーをを狙ってます」とアダチさん。
特集以外には、アート系の作品、連載コラムという構成になっていて、
作品は、広告の仕事をしていたときのデザイナーが協力。「デザイナーには、デザインのみならず、イラストが上手い人もいるんです」とアダチさんは言います。
映画のコラムは、幼馴染に書いてもらって、音楽のコラムは、参加しているバンドのメンバーに書いてもらっているとのこと。音楽もやっているとは、すごい!
そして、なんと、漫画家の三本美治(みつもと・よしはる)さんのコラムもあるんです。
「三本さんのファンでして、あるときお会いする機会に恵まれ、『coasterに共感してくださったら、ぜひご協力を…』とお願いしたところ、すぐに返事をいただけたんです」とのこと。
アダチさんの行動力もすごいですが、ご自身がつくられている「coaster」への思い入れが本物であるからこそ、三本さんにも、その気持ちが届いたのではないでしょうか。
さて、ここまで書いて、実際にcoasterを読んでみたい!と思われた方もいらっしゃるはず。配布先は東京23区においては、17-18箇所。
中野
タコシェ(本・CDなど)
下北沢 テラピン(カフェ)
渋谷
UPLINK(映画館/カフェ/ギャラリー) など。
coaster8号の配布先情報が、
アダチさんのブログにあります。ここを見てください。
なお、現在準備中の10号は、「虫特集」です。アダチさんは、大の昆虫好きだそうで、コースターの裏表紙は、毎回必ず、虫の写真のアップなんですって。
10号にはすごい人が登場すると聞いています。
「虫食い芸人」という方がいるそうで、電撃ネットワークに、「おまえにはかなわない」と言わしめた芸人のササキさんという方だそうで、ゴキブリを食べる記録で、ギネスに挑戦されている方だとか…
虫好きのアダチさん、目の付けどころが、スゴイです。
かわいい表紙で、中身はド〜ンと、インパクトの強いもので、という路線どおりですね。まだ10号は拝見していませんが、読んでみたいです。
切手代をこちらが負担すれば、バックナンバーも送ってくれるとのことです。
ちなみに、虫好きの背景には、アダチさんが育った自然いっぱいの原風景があるようです。これが、デザインの根底にあるものにもつながるそうです。
7号では、「昆虫喫茶」という、昆虫をお客にみたてた、ミニチュア喫茶店を開店。訪れた昆虫のお客様を写真に撮影。紹介したそうです。
「蜂蜜を入れたカップを小さな切株のテーブルの上に置いて、昆虫が寄ってくるのを、じっと待ちました」とアダチさん。
このアイディアに脱帽です!
面白い!
好きなデザインが仕事でできない。そこで、出会ったフリーペーパー。有料で発行するのではなく、無料(フリー)で。なぜなら、有料にすることで、利益をださなくてはいけないという「しばり」が生じるのが嫌だから。
発行代をだしてくれるスポンサー(広告主)をつのると、スポンサーの意向を気にした内容づくりになり、自由度がなくなってしまう。だから、広告なしのフリーペーパーに限る!
というわけです。
フリーペーパーを作りだして、アダチさんいわく、「ストレスを抱えてやっていたデザインが、楽しくやれるようになって、自分の拠り所になってきた」と言います。
クリエーターの皆さん、共感される部分があるのではないでしょうか?
私は文筆業を生業としていますが、仕事の文章と、ブログに書く文章は全然違いますし、扱うネタも、仕事だとぐっと狭まります。
ですが、日々いろいろなことを見聞きし、考えています。
それを、自分の脳みその中に閉じ込めていては、広がりも発展もない!それがもったいない(?)と思い、ブログを毎日更新することにしたのです。
私の場合は「文字」「情報」がメインですので、ブログをツールに選びましたが、アダチさんのように、デザインに携わっていられる方は、フリーペーパーが、ご自身を表現するキャンバスとなるのですね。
もちろん、フリーペーパーには、文字ばかりのものもありますので、私のブログを紙媒体におとして、たとえ5部でも配布すれば、立派なフリーペーパーになるというわけです。
自己紹介のツールとして、ブログのフリーペーパー版を作っても楽しいかもしれないな〜と、かつて、図工が(美術じゃない)が得意だった私は、考えてしまいました。
3回に分けてレポートしました、フリーペーパーについては、これで終わりです。
私の脳みそ内にとどめておいては、広がらない情報。今後も、どんどん書いていきます。ぜひ、皆さんの感性でキャッチしてください。
今後もどうぞよろしくお願いします!
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